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『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』作家・古内一絵さん

何度も読み返してしまう本というものがありますよね。

子供の頃に読んだ、カロリン・キーンの『少女探偵ナンシー・ドルーシリーズ』とか、江戸川乱歩の『少年探偵団シリーズ』とか、もうボロボロなんですけど、今でも大事に持っています。

装丁のカバーイラストが、これまた不気味でミステリアス、ホラー好きとしては見た目からも読んでみたい! と子供心にも思いました(笑)


でも意外と私は読み返す本っていうのは、多くはないんですよね~。
この『読み返す』というのは、よほどその方の心の琴線に触れた作品ではないとなかなか、ないかなって思います。

少し前にこのブログでご紹介させていただいた、いとうせいこうさんの『ボタニカル・ライフ』も私の中の1冊ですが(笑)



…ということで今回は。
作家・古内一絵さんのご紹介をさせていただきますね~。

古内一絵さんは、1966年東京都生まれ。
日本大学芸術学部、映画学科を卒業とありますので、芸術的センスをもともとお持ちの方なんだなとわかりますよね。

2010年に『銀色のマーメイド』(『快晴フライング』に改題されました)』で第5回ポプラ社、小説大賞特別賞を受賞されています。

大学時代に映画のお勉強もされていますし、映画会社にもお勤めされていたこともありますので、古内さんの作品のひとつ『キネマトグラフィカ』はそこらへんの影響でお書きになったお話かな~と想像しています。

その後は、中国語の翻訳家もされて、2017年『フラダン』で、第6回JBBY賞を受賞されています。
才女ですね~。


古内一絵さんの作品は、どの作品も一言で表すと、文体がとてもしっかりしていて、言葉遣いや言い回しなどが上品な印象です。

お人柄もとてもきちんとされている品のよい方なのでは、とお話を読んでいると想像してしまうんですけど、どうでしょうか(笑)

同じ女性作家さんでもうひとり、私がおすすめをさせていただいた青山美智子さんの作品を、軽く口当たりの甘いサブレのようです、と私は表現しましたけど、古内一絵さんの作品の方はクッキーですね。
歯ごたえがあります(笑)

その中で、特に『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』のシリーズは、おすすめです。

マカンマラン二十三時の夜食カフェの本

全4巻構成になっていますが、ドラァグクイーンのシャールさんが主人公で、さまざまな困難や悩み、苦しみを抱えている登場人物たちが、シャールさんの夜食カフェ『マカン・マラン』の縁に導かれて訪れます。

その人たちにかけるシャールさんの言葉、マカン・マラン自体の気持ちの柔らかくなる、癒される雰囲気の描写、個性的な脇役たちが、彼?彼女?と関わっていくのが素敵です。

シャールさんの持ち味にあわさって、他のドラァグクイーンたちもマカン・マランの暖かな雰囲気を増幅していくので、できることなら私もマカン・マランを訪れたいーと思ってしまうようなお話が、それぞれ短編で収録されています。

4巻への流れで、登場人物たちの想いや状況、心境は、少しずつ変化していきます。
もちろん、シャールさん自身も実は。。。

私はあまりにもこのマカン・マランワールドが好きなので(完結してしまっているのが惜しいです)、読み返すために、すべてハードカバーで揃えています。

スマホゲーム『どうぶつの森ポケットキャンプ』のコテージレイアウトをマカン・マラン風にしてみたこともあります(笑)

自分がしんどい時、落ち込んでいる時などに、思わずシャールさんに会いたくなってしまって、何度も読んでしまうんですよね~。


古内一絵さんは、他にも作品をお書きになっていらっしゃいますが、私はどれも好きだなーと思えるものばかりですし、マカン・マランに後から出てくる、とあるキャラが、実は他の小説の中にも出てきたり(『快晴フライング』)、マカン・マカン常連の柳田先生も関わったりというようなストーリー共有もされています。

私、けっこう柳田、お気に入りなんですよね(笑)


十六夜荘ノート』も、戦争という激動の時代にともなう、さまざまな不安や、時代特有の障害を乗り越え、自身の信念を貫いていく素敵な女性が登場します。

十六夜荘ノートなどの本の画像

現代に生きる人たちの“いま”と、昭和の時代の“いま”とが交互に交錯していき、そして… 。

とてもドラマティックで頭の中でもドラマが展開されますし、実際にその想像通りに映像化されたら素晴らしいだろうなぁと思います(笑)
こちらも何度も読み返してしまうお話です。
とにかく、ヒロインが素敵なので♪

ただ、この単行本の表紙イラストは、少しお話のシリアスさと食い違っている印象を受けます。
このような、軽いほのぼのしたようなストーリー展開ではないので。


風の向こうへ駆け抜けろ』『蒼のファンファーレ』は、女性騎手を目指す女性のお話です。

これも彼女を中心に周りを取り巻く厩舎の人々たちや関係者、サラブレッドたちと人との交流、世界観がとてもしっかりしていて、緻密なストーリー仕立てになっています。
最初のお話を読んだら絶対、次も読んでしまうと思いますよ~(笑)
引き込まれていく作品です。

興味が向かれた方は、ぜひ読んでみてくださいね~。


中央公論新社さま『マカン・マラン特設ページ』です♪

https://www.chuko.co.jp/special/makanmalam/


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