シノワローザ空間

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怪談実話・夜出遭う

※  実話怖さレベル★★★★☆

最高を★5つで表しています。

 

都内に通勤されている25歳の女性Kさんは、東京都と埼玉県の境、東京の郊外に住んでいらっしゃいました。

 

Kさんの自宅は閑静な住宅街にありましたが、正直閑静というより、いつもひと気がなく、夕方ともなれば、歩いている人もほとんどまばらな町でした。

 

そもそも若い世代よりも高齢者の数の方が圧倒的に多い地域でしたので、日が落ちてからはそれこそ外を歩く人もおらず、静けさに包まれていたそうです。

 

こんな時代でも街灯も少なく、残業で遅くなってしまった帰り道などは、ひとり帰途を辿っていても、気のせいか誰かに後をつけられているような怖さがあったといいます。

夜道

そんな時、たまに『普通の人』に出会って方向が同じだったりすると、なんだか妙な安心感に包まれるような気がしたそうです。

 

Kさんのお仕事は、どうしても時間に左右されてしまう種類のお仕事でしたので、帰宅時間が深夜に及ぶこともよくあることでした。

 

そんなある凍てつくような真冬の晩のこと。

 

Kさんが最寄り駅に着いた頃にはいつものように、すでに夜中の零時をまわってしまい、仕事場でカロリーバーはとったものの、お腹も空いてしまったため、駅前のコンビニでおにぎりを買い、自宅に向かいました。

 

コンビニから駅前を過ぎてしばらくすれば、そこはもうボウッとした街灯が電柱に、ぽつん、ぽつんと灯るだけの、シンとした深夜の道です。

寒さも手伝ってなんとなく心細く、吐く息は闇夜に白く、自分の呼吸音が直接、身体に響いてくる感じがしました。

 

月も出ていない夜道、コンビニのポリ袋を下げながらKさんは、寒さも手伝って自然と早歩きになっていき、

そんな時、前方から誰かがやって来るのに気がつきました。

 

人であることはわかったのですが、初めはよく見えず、誰か来たなくらいに思っていたそうです。

 

そのうち、その人物がなぜかずいぶんと道の端を歩いているのがわかりました。

車も来ないのに用心深い人だなと思いましたが、その人物は電柱がある度、その陰に身を隠すようにしていったん立ち止まり、そしてまた端を伝って歩き出します。

 

暗闇の中だというのに、やけにその人物の輪郭や容貌がハッキリと見える気が。。。近づいてくるごとに、その人物の身なりもわかってきました。

 

心底、ゾッとする恐怖心に襲われたそうです。

 

その人物は若い女性のようでしたが、カールした輝くような金髪をショッキングピンクのリボンで両サイドに結び、ショッキングピンクの半袖ミニワンピース、真っ白のタイツ、ショッキングピンクのベルト付きパンプス、という異様ないでたちだったのです。

なのに何故か、顔だけがよく見えません。

クレイジーなピンク

ですが夜目にも、その様子が尋常でないことがわかりますし、この真冬にコートすら着ていません。

そう認識したとたん、Kさんは見てはいけないと思い、とっさに視線を下に向けましたが、それでも極力平静を装いました。

残念ながら道は直進のみで、その女性とはすれ違わなければならない状況だったのです。

 

Kさんは冷静に冷静にと自分に言い聞かせるのとは裏腹に、恐怖と混乱に苛まれていました。

 

この人はコスプレイヤーなのだろうか。

きっとそうだ。何かポリシーがあってこんな格好をしているに違いない…

 

近づくにつれ、闇にはその色が浮かびあがるのに、それでいてなお、顔だけはよく見えません。

見えないながらも、自分の視界の端にはその女性の口許だけがなんとなく映る…

白い肌に、唇もショッキングピンクにベッタリとグロスのように塗られているのがわかりました。

こんなに暗いのにどうして色だけがハッキリ見えるの、と疑問に思ったまたそれも、さらなる恐怖心を煽り。

 

結局Kさんは、緊張感に息を詰め全身を硬直させながら、自分の足元だけに視線を落とし、歩いていきました。

ですが怖いもの見たさというのでしょうか、その女性には絶対に気づかれないよう、ほんのわずかに視界の端に映る様子だけはチラ見する…

冬の冷気の中に、自分の吐く息の白さが…

 

…白さ?

 

え… 

 

瞬間、息が詰まりました。

 

コノヒト イキヲシテイナイ…  

 

呼吸しているはずの白い息が女性にはないのです。

そしてその女性とすれ違った直後。

 

なにも起きませんでした。

 

ああよかった、という安堵感に包まれ、ふと気が緩み、つい振り返ったKさんの心臓は縮みあがります。

 

その女性は無言で進行方向を向いたまま、そこで立ち止まっていました。

 

うそ! まさか気づかれた?

 

自分の考えていることに気づかれたのかと、そう思ったとたん、Kさんに再び恐怖が襲いました。

本当はすぐにも逃げ出したかったのですが、あまりにも恐ろしすぎて、反対にその場に凍りつき動けなかったのです。

Kさんは、その女性がどこかおかしいような、いきなり襲われ刺されでもしたらどうしよう、そんな思いにとらわれていました。

それでもしぱらくすると、Kさんは一気に呪縛が解けたかのように脱兎のごとく自宅に向かって、一目散に逃げ出しました。

しばらく、とはいっても時間的にはほんの数秒のことだったのかもしれませんが、逃げ出したとたん、その女性が髪を振り乱し追いかけてくるようなそんな気がして、もう後ろは振り向けなかったそうです。

 

家に到着してドアの内に入ってからも、しばらく心臓のドキドキと身体の震えは止まらなかったといいます。

 

あの女性は何者だったのか?

自分はいったい何に遭遇してしまったのか?

本当にこの世に生きている人間だったのか?

 

あの一種異様な様子。

そして顔はわからなかった…

 

いや、わからなくてよかったのかもしれない。

もしもあの女性の顔までハッキリと見てしまっていたら…

 

それ以来、Kさんは、遠回りにはなってしまいますが、別の道から帰宅するようになり、深夜になった時には駅からタクシーを使うようにしたそうです。

それくらい、その女性が怖かったんだよ、というKさんのお話でした。

 

 

ここからは私の個人的な感想ですので、ご興味がわきましたらお目を通してくださいね~(^_^)

 

私も今までいろんな怖いお話に接してきましたが、このお話はさすがに怖かったですね~。

時間帯も時間帯、相手の正体が知れない、挙動不審というあたりのつかみどころのなさが、冬の寒さも想像してしまい、心に染み込んでくるような怖さがありました。

 

怪談話には、ダイレクトにユーレイだよーんというのがわかるパターンと、見た目は生きている方とほぼ変わらないというパターン、いったいなんだったのかよくわからないというパターンに、だいたい分かれますが、これは明らかに正体がわかりません。

 

それと、暗いのになぜがその姿がハッキリ見えてしまう、というのも総じてよく聞くケースです。

赤い女系のお話も、たいてい闇の中でも赤の鮮やかさがわかるといいます。

生きている方のオーラと違うからわかるといいますが、どうなんでしょうね?

人間の『視覚』で見ているわけではないからよく視えるのでは、というお話もありますが。

 

Kちゃんは今でも夜はその道を避けています(笑)

本人にしてみたら笑ってる場合ではないんですけど、このショッキングピンクの女性にはお化け探知機の針が振り切れるくらいの迫力がありそうですよね~。

 

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