シノワローザ空間

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怪談実話・朱塗りの座敷

※  実話怖さレベル★★★☆☆

最高を★5つで表しています。

 

これは関谷さんが高校生の頃アルバイトをしていた、とあるパチンコ屋さんの店長さんから聞いたお話だそうです。

 

当時、店長さんは30代なかば、京都府のご出身でした。

この方のご実家は、平屋造りの和建築で、敷地面積もかなり広く、離れや蔵などもあり、母屋にはいくつもの座敷があるそうです。

古くから代々その土地で継がれてきたお家です。

 

そのお屋敷の母屋の中に、1ヶ所だけ、四面すべての壁が真っ赤に塗られていた座敷があるそうで、窓もない造りになっているとか。

それもそのはず、その座敷は建物の内側部分に面していたからです。

開かずの間というわけではなかったのですが、普段は基本的に誰も立ち入らず、座敷の襖には珍しく、閂がはめられていたそうです。

時として、家族の誰か、おそらく同居しているおばあさんだろうとのことですが、その座敷の襖を開けて入る気配が感じられたそうで。

 

その店長さんも子供の頃に1度だけ、座敷の中を見たことがあり、その時は、誰かがその座敷に入る気配がしたので見てみると、襖は閉まっていましたが、閂が外されていたため、自分で開けてみたそうなんです。

すると中にはやはりおばあさんがいました。

でもそのことよりも、座敷の中が真っ赤に見えたので大変驚いたそうです。

そこは四畳半くらいの小座敷で、きちんと箪笥や文机、女性ものの着物などがしつらえられてありました。

 

その中でもひときわ目が吸い寄せられたのが、赤い手鞠だったそうなんですね。

赤い手鞠

ですが店長さんが座敷の襖を開けたとたん、中にいたおばあさんに「健太!入っちゃあかんね、はよいね!」と、たいそうな剣幕で怒鳴られたので店長さんは怖くなり、反動的に襖をピシャッ!と閉め、一目散に逃げたそうです。

 

おばあ…あの部屋は… なんなん?

 

店長さんはおばあさんに。お母さんに。誰か大人に、そう聞きたかったそうなのですが、なんとなくそのことを口にするのは許されないことのような暗黙の空気があり、禁忌であるということが座敷の内部を見た以前よりもなお、身に食い込むよう、ひしひしと感じられたそうです。

 

オレ、ガキだったのにちゃんと空気読んでさ? 結局誰にも聞けなかったんだよね。

 

店長さんは、そうおっしゃっていたそうです。

でも店長さんは1度だけ、お兄さんにその座敷のことをなにか聞いているかと尋ねられたそうなのですが、首を横に振ると、そうか…といったきり、以降その話を持ち出してくることはなかったといいます。

店長さん、年に1度は実家に帰るようにしているそうですが、今でもその座敷は閂がかかったままになっていると。

お兄さんは今はご結婚されていて、夫婦でマンションで暮らされているそうなのですが、お子さんが生まれたらご実家に入られる予定になっており、たぶんその時に、お兄さんご夫婦はその座敷の真相を聞くことになるんじゃないか、ともおっしゃっていたそうです。

 

…この朱塗りの座敷。

 

いったい『なんのための』座敷なのでしょうか…?

 

 

 

★ ここから下は私自身の感じたことと補足をお話させていただいております(^-^)

ご興味のある方は引き続き、お目を通されてみてくださいませ。

 

 

このお話を聞いた時、私はとっても興味を惹かれました。

だって滅多にいらっしゃらないですよ、こんなお家で育った方なんて(笑)

最初は座敷牢の話? とも思ったんですけど、普通の座敷でした。

ただし、閂つきの(^_^;)

開かずの間というお話はよくあるケースなんですが、この家は、べつに開かずの間ではないんです。

むしろ、その点がなんだが不審でゾッします。

入ってはいけないのなら、どうして開かずの間にしないのか?

しかも想像する余地をとても残しているお話なので、起承転結がハッキリしているお話よりも、いい意味でのモヤモヤ感がありますね~。

 

赤という色。

これは昔から魔を祓う色であり、呪術や祭祀的な意味も持っていて、活動と生命エネルギーを表す強い色です。

他にも黒、白、紫なども特有の意味を持っています。

赤を誰もがいちばんイメージしやすいのは血液の赤ですよね。

あとは太陽と炎の赤、天照大神の色ともいえます。

まさに赤=生命、原始のエネルギーなのです。

悪霊邪気はこの色に耐えられません。

 

日本の地方のお祭り、海外のお祭りでも見たことがあるんですけど、赤ちゃんや子供のおでこにつける赤い印、神社の鳥居の朱、お赤飯の小豆なども魔除けや病気除けの意味を持っています。

 

還暦の赤いちゃんちゃんこ、赤パン健康法もそのひとつ。

…あら。

赤パン健康法をご存じ、ない…?

赤い色の肌着(特にパンツ)を着ると魔除けができる上、エネルギッシュで健康になるという健康法です。

 

この朱塗り座敷の壁の素材や、同じ赤といっても幅がありますので、実際にはどのような色味の赤なのかまではわかりませんが、魔祓いのために赤土を床にまくという説もありまして、丹(に)は『たん』とも『あか』とも読みますが、これは硫黄と水銀の化合した赤土です。

もしもこの壁が土塀なら、この赤土を含んでいる可能性もありますが、座敷となりますと、人体には害ですよね…。

毒をもって毒を制す、という言葉がありますけど、丹には丹を使うことにより魔を除ける、という意味があったようです

 

また丹塗りは、金属を精製した丹で、神社の建物や鳥居以外でも、橋の欄干などにも塗られているのをよく見かけますが、魔除けの他、防腐剤としての役割もありました。

 

…と、いう流れで考えてみますと、この窓のない朱塗り壁のある座敷を、あえて母屋の奥に造った意味は、みなさまも予想がつくかもしれませんが、何かを封印するための場所である、ということと、何かを(誰かを)魔祓いするために造られた場所、という可能性はなかなか確率的には高いと思います。

ここに窓がありますと、外界と繋がる道を作ってしまうことになりますので、窓もなし。

 

ただそれほど邪なモノってなんでしょう…?

過去にこの家と、ナニが、誰が、どのような繋がり、因縁をもったのか。。。

おばあさんは確実にご存じのようですが他言は一切無用、立入厳禁の強い意志が感じられますので、ゆくゆくはこの家を継ぐ方のみに伝承していく奇怪な謎ということになりますね。

あとはご自由に、みなさまのご想像にお任せいたしたいと…

 

ひとり、静かな闇の中で。

 

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