シノワローザ空間

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怪談実話・土地の因縁?

※  実話怖さレベル★★★☆☆

最高を★5つで表しています。

 

これは今は実家を出てひとり暮らしをされている現在45歳の女性、武田さんの体験されたお話です。

武田さんはひとり暮らしの前までは神奈川県藤沢市にある一戸建てのご実家に住まわれていました。

自転車で10分くらいのところには、かつてお城があったという城址公園があり、桜の時期などには大変賑わっているといいます。

源頼朝鎌倉幕府を開いて栄えていたことは武田さんもお土地柄と日本史の勉強でよくご存じでした。

 

その武田さんがまだ中学生だった夏休みのこと。

真夏とはいえ、ひどく蒸し暑く、いつもは2階の自室で休むのですが、猛烈な暑さに我慢できず、その晩はお母さんとふたりで、1階の和室で寝ることにしたそうです。

和室は玄関と2階への階段につながる間口があり、反対側は居間につながっていましたが、暑いので、すべての間口は開け放し、電球だけをつけて就寝しました。

 

どれくらいの時間が経っていたのかはわからないといいます。

なんだかおぼろげに目覚めました。

 

物音がしないので真夜中だったのかもしれませんが不意に、身体が緊張しました。

部屋の空気が急にピンッと張り詰めたからです。

“なに…?”

武田さんは、玄関つながりの闇、黒々と開いた間口に目がいきました。

電球の灯りが点っているため、やけにポッカリと暗く見えます。

その時、空気がパシッ! と音を立て凍りついたようになり、さらに身体は緊張し、“怖い!”と思ったそうです。

これは本当に後から考えてもわからないことなのですが、何かを察知して身体が勝手に反応しているようだったと。

 

武田さんがそう感じる間もなく、その暗がりからぞろぞろと練り歩くように空中を漂いなから、アレが目の前に現れたのです。

 

それは、戦国武将のようでした。

戦国武将

肘から先の両手、膝から下の両足、胴体、そして首、がすべて別々にふわふわと漂い、武田さんを強烈な憎しみの籠った目で睨みつけていました。

髭はボウボウと、髪も狂乱するかのように所々固まって乱れ、それが。

 

隣りではお母さんが何事もなく眠っているのが気配でわかりましたが、武田さんの身体は硬く金縛りにあったかのように身動きがとれず、恐ろしさに声も出せなかったとおっしゃっていました。

 

その武将と瞬きもできず、否応なしに視線を合わせられていた武田さんでしたが、どれくらいの時間がたったのか、やっとのことでカバッ! と夏掛けを頭から被り、ひたすら心の中でお経を唱えていたそうです。

するとしばらくしてまた、空気がピシッ! と音を立てたような感じがすると、ふっと身体の緊張も溶けました。。

おそるおそる布団からのぞいてみると、あの武将はもう影も形もなくなっていました。

ぼんやりと電球のついている元の和室に、眠る前とまったく同じ空気に、戻っていたそうです。

ホッとした武田さんはぐったりと横になり、そのまま眠ってしまい、目覚めた時にはもう朝になっていました。

 

夢…?

 

いや、そんなことはない。

自分はちゃんと、起きていた…。

起きていて急に空気がおかしくなったから怖かったんだ。。。

 

アレはなんだったのでしょうか?

 

かつてここ一帯は頼朝の支配地で、もしかしたら戦いがあり、命を落とした武将もいたのかもしれません。

 

その霊だったのか…?

だとしたらなんで私に? なんで今?

 

武田さんはあの武将の視線が、憎しみの籠ったような目が、忘れられないといいます。

ですがその後は、そのようなおかしなこともなく、ひとり立ちするまで平穏に暮らしました。

 

よく空気が変わるとか凍るとかいいますが、それはまさにあのような時のことをいうんだなと思ったそうですが。

 

鎌倉時代にも、きっとそれ以前、ずっと前からも。

その土地にはさまざまな人たちがいて、理不尽な事が起きたり、命を落とすようなこともあったのかもしれません。

武田さんはたまたま偶然に波長が合い、その一角を覗いてしまったのかも、しれませんね。

 

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