グレイパール
Grey Pearl。The Mouse。
1945年、イギリス作出のアンニュイなバラですが、当時は斬新で珍しく、あまり評価もされなかったという…色が渋すぎたのかもしれません。
バラといえば赤とかピンクなど、典型的な華やかさをを思えば、確かにくすんだ色、なんなの、この色!? と思われたのかも。
でもこの色は、その後の紫系統のバラに継がれていきました。
株は半横張りで、なかなか思うような方向に伸びてくれません(単に私が剪定下手なだけです)。
横に出張ってきます。
花の持ちは、まぁまぁかと。
もちろん四季咲きですが、真夏はやっぱり、うちでは休みがちです。
樹高は70cmくらい(鉢です)、華奢で性質も気難しめ、しかもけして強健ではなく、育ちもゆっくりなので、ビシッと強剪定はしない方がいいバラだと思っています。
放任気味だと、枯れる可能性のあるバラですね~(笑)
地植えよりも鉢植えの方が、いろいろと調節がきくので、うまく育つんじゃないかなぁと私は思います。
この育ちにクセのあるグレイパールは、お水の飲み方も控えめです。
樹勢の強いクロードモネやエヴリンなどは、腰に手を当ててゴ~クゴック飲んでるイメージなんですけど、グレイパールは、土の様子や本人の様子を見ながら水やりをした方がいい感じですね~(^_^;)
だから放任気味では少々難しい…。
うちですと、センチレイティングブルースなど、青系のバラはそんな感じです。
でも色が(*^^*)
香りのほとんどない、このバラの最大の魅力はカラー!
う~ん、何色って表現するのがいいんでしょう、そもそもつぼみの時には濃いめのくすんだピンクに覆われています。
咲いてくると、グレイッシュベージュ… いや、茶色…? 藤色?
ジュリア?
でもハイブリットティーのジュリアより複雑な色あいなことは確かで、一応名前にもグレイパールとあるので、グレー…
いやでもなんか違うなー、茶の混ざった淡いピンク~…?
底の方にはイエローも入ってきますよ~。
メタリックな、と表現されていたりもしていて、確かに咲き進むとグレーっぽく退色?(というか、この色がホントのグレイパールを表してるんでしょうか)していきますけど、メタルではないと思うんですよね~。
淡いシルバーベージュグレー… という感じかなぁ。
これじゃ、わけがわかりませんね~(^_^;)
モーヴ系のニュアンスカラーな、グレーな真珠です。
バラの名前を大事にしている私としては、命名は慎重に(;_;)
グレイパールはいいんですけど、ザ・マウスはあんまりじゃないでしょうか?(笑)
下は開ききりましたね~。
右下の初期のつぼみの色の違い…(^_^;)
本物の色を見てみたい方は、やっぱり育てられてみるのがいちばん確実です~(笑)
トゥワイスインナブルームーン
Twice in a Blue Moon。
2004年、ドイツでの作出です。
青バラの銘花『ブルームーン』の後継品種として作られたということですけど、ブルームーンといえば、青バラの品種がまだそれほどたくさんはなかった頃、初めて青バラを育てますという方がまず欲しくなる代表花だったと思います(^-^)
そのトゥワイスインナブルームーン、うちでは鉢植えにしていますので、小柄です。
株立ちは直立性で、トゲもなくしなやかなので扱いやすいです。
ハイブリッドティーなので、枝の伸びはいいんですが、ばく進していく生育の強さはなくて、マイペースに育っていきます。
背丈は1mくらい、深緑色の大きな葉っぱです。
地植えにすれば、もっと大きく、花もたくさんつけると思うんですけどね~。
花形はいわゆる剣弁高芯咲き、タカシマヤのバラ?(笑)
大きさは10cmくらいの大輪で、香りは青バラの、澄んだレモンのような強い香りです。
ライラック色のバラは、少し寂しげな佇まい、風情がありますね~。
ブルームーンというのは、ひと月で2回ある、その2度めの方の満月のことをいいます。
月の周期が29.5日といわれているので(ハンパだなぁ~30でいいのに)、満月は月に1度だけ。
それが2回起きるのは、数年に1度ということで、それこそ滅多にない珍しいこと、という意味になりますよね。
トゥワイスインナブルームーンは、さらにこの意味が強調されますので、ほとんど起きないほど珍しいこと、という意味になるかと。
あり得ないほどの青バラ、それがこのバラのもつ名前でしょうか。
咲き進むとこのように花びらはくるんくるんになります。
昔、読んだことがあるんですけど、イギリスの女性作家さんで、パトリシア・モイーズさんという方がいらっしゃいました。
その方の小説に『ブルームーン亭の秘密』というものがあります。
原題は、 Twice in a Blue Moon。
バラと同じ名前なんですよね。
遺産で受け継いだ幽霊が出るという噂のある荒れ果てた居酒屋ブルームーン亭を中心に、女性が主人公のミステリーなんですけど、この受け継ぐという意味も、トゥワイスインナブルームーンが銘花『ブルームーン』の後継であるということをまるで表しているかのように思えます。
この小説とバラのトゥワイスインナブルームーンに関係性があるのかどうかはわかりませんが、意味からすると通じるものがありますよね~。
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