シノワローザ空間

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バラの系譜

バラ好きのみなさま~♪

みなさまのお家にあるバラたちが、どのような長い長い歴史の旅をしてきたのか、シーズンに先がけて、お話をさせていただきますね~(*^^*)

 

 

バラのいのちローズオイル

バラの起源は古くて、古代のペルシャ、中東にまで遡れます。

古代エジプトクレオパトラのバラ風呂なんて有名ですが、この方はお風呂だけじゃなくて寝室にもバラをふんだんに敷き詰めたといわれております。

 

なんと!

贅沢な生花のカーペットとは…!!(笑)

 

古代ギリシャでは、バラは愛と美の女神アフロディテを象徴する花です。

薔薇と額

栽培の目的は、主に香料と薬用ですが、代表格のロサダマスケナ(ダマスクローズ)は今もブルガリア、中近東、地中海沿岸で香料用に栽培されています。

 

トルコとブルガリアが世界一の生産量を争う感じですが、ブルガリアのバラの谷の方がメジャーですよね、ヨーグルトも(笑)

でも実はヨーグルトの消費量もブルガリアよりもトルコの方が上だそうです。

トルコ、地味に頑張ってます。

 

ローズオイルというのは、ものすごく貴重なオイルで、1ヘクタールの畑から、トラックに山盛りで約3.5トンの花が摘めますが、そこからやっと1キロのオイルが抽出できます。

精油でもローズオイル(ダマスクはローズオットー)は高値ですし、だいたいはブレンドされて、少し安価にして売っています。

…なんか漠然としてますか?

 

じゃあもう少し、身近な量でお話しますと、ダマスクローズの精油1mlを採るには、約2600本!も使わないと採れないんですね。

金より貴重なローズオイルと言わしめたのは、この採れ高にあるんですよね~。

 

自家製ローズの精油を採りたい(笑)

でも、まずムリです(^_^;)

ニールズヤードレメディーズや生活の木さんのような、高品質の精油を扱っているお店でも高値がついているのは納得です。

 

まずは品種改良から

ヨーロッパでは最初に栽培されたロサガリカを元にして、ロサダマスケナ、ケンティフォーリア、モス、アルバなどのさまざまな品種が改良されていきました。

 

香りが強くて、丸弁カップ咲き、クォーターロゼット、典型的なオールドローズですね。

 

イングリッシュローズが登場した頃だったでしょうか、オールドローズ、日本でも一時期ローズ旋風を巻き起こしました(え? 夢中になったの私だけですか??)。

オールドローズの切り花

そしてこれに、四季咲き性質を加えたのが、中国の野生種である庚申バラ(ロサキネンシス)でした。

この庚申バラは変化が大きくて、元々は一季咲きの性質だったんですが、そのうち木立性の、ブッシュタイプが出てきたんです。
四季咲きですね。

 

中国ではヨーロッパにはない、剣弁咲きの品種などが作られていたようで、庚申バラは中国のバラ特有の香りである、ティーの香りをプラスしてくれました。

 

QUEEN な【ラ・フランス

この中国で生まれたバラたちはその後、ヨーロッパに渡り、フランスのナーセリーのギヨー、その育種家ギヨーさんによって、1867年輝かしきハイブリットティー(現代バラ)である【ラ・フランス】が生まれました。

薔薇ラ・フランス

ラ・フランスといいますと、みなさまには香りのいいあの洋梨のイメージが強いと思いますが、バラの香りもかなりなもので、洋梨には負けていません(笑)

 

余談ですけど、洋梨ラ・フランスは、1864年にフランスのクロード・ブランシェという方が発見した、フランス原産の品種なんですが、実はラ・フランスは日本だけの呼び名でして、意味は『フランスを代表する』に由来します。

 

フランスでの品種名は発見者のクロードさんからとって『Claude Blanchet』になっています。

ですから、コロナが落ち着いて、またフランスに旅行に行けるようになり、果物屋さんで「洋梨ラ・フランスありますか?(フランス語風でどーぞっ)」っていっても通じません。

洋梨のクロードブランシェありますか?」じゃないと(笑)

 

このように、ラ・フランスは『フランスを代表する』という意味ですから、バラの【ラ・フランス】の意味するところもまさに『フランスを代表するバラ』という意味になるわけです。

気高いですね~ベルばらみたい。

オスカル様やマリー・アントワネットさんたちの背後を飾っているのは、ラ・フランスでしょうか?(笑)

 

その後、また野生種から黄色の色素が入って、1900年に【ソレイユドール】が作られるまでに、10年もの月日がかかったそうなんですよね~。

今栽培されている黄色の品種にはすべて【ソレイユドール】の血が入っているといいますから、どれほどの業績を積んでいるバラでしょうか。

イエロー系のバラをお好きな方はソレイユドールも育てていらっしゃるかもしれませんね。

感謝しましょー(笑)

 

ギヨーさんは、日本の野イバラを元にして、小輪多花性のポリアンサローズも作り出して、さらにそれがハイブリットティーと交配された結果、私たちに馴染み深い、フロリバンダ系を生み出すことになります。

そしてヨーロッパに渡った野イバラはつる性のランブラー系になりました。

 

今のバラは【ラ・フランス】を境にして、これ以前の系統をオールドローズ、以降がモダンローズと呼ばれています。

 

バラの品種改良はとても盛んで、さらにデヴィッド・オースティンさんにイングリッシュローズが生み出されたり、いろいろな育種家の方々が、魅力的な品種をどんどん生み出されていますよね。

 

熱きプラントハンターたち

さきほどからヨーロッパに渡った、といっていますが、誰が持ち込んだの?

それはプラントハンターたちでした。

なんかハンターって狩人っぽくてカッコいい響きですが。

シティハンター冴羽獠っぽい(笑)

 

プラントハンターは世界の珍しい植物を、片っ端… いえ、熱心にヨーロッパに持ち込んだ方々です。

イギリスのキューガーデンはプラントハンターがいたからこそ存在しているともいえて、プラントハンターにとっても、ラボ的な場所であったといいます。

 

日本は江戸時代には鎖国をしていましたが、狩人である彼らは長崎から日本にちゃっかり入りました。

出島のオランダ商館医でドイツ人医師のケンペル、植物学者でスウェーデン人医師のツンベリー、歴史の勉強に出てきた有名なシーボルト先生も。

医師って肩書きがあると、やっぱり通りやすかったんです、得ですね(笑)

時代劇でもよく、和蘭陀医術を学びに長崎へ!とかありますもんね。

 

プラントハンターたちが持ち帰った多種類の植物の中にはもちろんバラも含まれています。

中国からは中国原産のバラ、日本からは日本原産のハマナスなどのバラを持ち帰り、そしてこの後、ヨーロッパのバラと交配されて、世界中で新しい品種のバラがどんどん作出されていったということなんですね~。

 

 

日本のバラの歴史は?

さて、日本に自生していたバラは野イバラとハマナスです。

野イバラは今のバラの接ぎ木として使われている生命力の強いバラですが、日本では奈良時代からバラの名前が出てきます。

西暦700年の文献にも載っているといいますし、万葉集源氏物語枕草子などにも。

平安の時代に出てきているバラは、中国渡来の四季咲きの庚申バラ、さきほど冒頭にも出てきたロサキネンシス、と思われます。

江戸時代は園芸ブームだったので、変化朝顔などが流行った時期がありましたが、バラはどうだったのでしょうか?(笑)

 

明治時代には、文明開化で西洋文化が入ってきましたが、同時に西洋のバラも輸入されるようになりました。

明治元年は1868年。

これは、あのラ・フランスが登場した時期とかぶります。

日本ではその後もバラの栽培はどんどん盛んになっていって、バラの指南書なるものなども出回るようになっていきます。

 

そして私たちのバラへと…

昭和に入ると、ますます海外からバラが輸入されるようになり、バラフィーバーが増していきました。

そのように海外からの輸入が進む一方で、1972年には鈴木省三さんの作出した日本のバラがAARS(アメリカバラ協会の選定賞)という賞を受賞し、日本から世界へ向けてもバラは発展していきました。

 

鈴木省三さん(ミスターローズ)といえば京成バラ園ですよね。

日本では知らない方のないバラ園ですし、苗の販売も積極的ですよね。

ミスターローズはバラと一緒に眠ったほど、バラの育種に貢献された方で、資生堂のバスコスメライン『ROSARIUM バラ園』に使われている【芳純】の生みの親でもあります。

資生堂の『バラ園』私も好きです(笑)

これは『ROSARIUM バラ園』のボディローション。

資生堂のバラボディローション

バラには、多くの植物が持っているデルフィニジンという青系の色素がなく、青色系と呼ばれるバラはいくつか作出されてきましたが、青色色素に由来する青いバラはいまだ存在しないんです。

 

今も研究は続けられていますが、ネモフィラなどのような空色、デルフィニウムのような濃い青のバラはまだありませんね~。

青バラといっても、やっぱり紫寄りのバラです。

あの昭和の名作、美内すずえさんのコミックス『ガラスの仮面』に出てくる“紫のバラの人”が持ってるやつ。

おかげで青バラを見るたび脳裏を紫のバラの人がよぎります(笑)

 

このようにバラにはものすごく古くて長い歴史があります。

今、バラを育てられる幸せは、いち個人ではけして作出できたものではなく、多くの人たちがバラへの愛情と情熱を注いでくれたからこそなんですよね。

これからシーズンになっていきますが、このような起源に想いを馳せながら、バラのお世話をしてあげてくださいね~♪

 

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